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歯茎が下がる原因は?対策方法や治療法について

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「最近歯茎が下がってきた」「歯が長く見えるようになってきた」と気になって相談に来られる方が増えています。歯茎が下がっている状態を歯科では「歯肉退縮」と呼びます。歯茎が下がってしまうのは年齢のせいかな?と思われがちですが、実は他に理由があります。今回はなぜ歯茎が下がってしまうのか、歯茎が下がらないようにするためにはどうすればいいのか、など詳しくお話ししていきますので、ぜひ参考にしてください。

 

なぜ歯茎が下がるのか

歯茎が下がってしまう原因にはいくつかあります。ここでは、よく見られる主な原因をご紹介します。

 

歯周病

歯茎が下がってしまう原因として一番多いのが「歯周病」です。歯周病は、歯周病菌に感染することで、歯を支えている骨である歯槽骨や歯茎、歯の周りの組織を破壊していってしまう病気です。重度になってしまうと、歯がグラグラになり抜けてしまうこともあります。
歯周病が進行していくと、歯を支える骨やその周りの歯茎も破壊されていくため、歯茎が元の位置よりも下がっていきます。また、歯周病の治療(歯と歯茎の間の深いところのクリーニング)を行うと、腫れていた歯茎が引き締まり、以前よりも歯茎が下がったように感じることがあります。

 

過度な力による歯磨き

過度な力による歯磨きで歯茎が下がってしまうことがあります。歯と歯茎の境目の歯肉は非常に薄く繊細なので、強い力でブラッシングしてしまうと削られて歯が伸びたような印象になってしまいます。この場合、歯茎が下がるだけでなく、歯の象牙質が露出することで知覚過敏も起こしやすくなるので注意が必要です。
1か月も経たないうちに歯ブラシの毛先が広がっているという方は、歯磨きの際のブラッシング圧が強い可能性がありますので、優しく磨くように心がけましょう。

 

ブラキシズム

ブラキシズムは「歯ぎしり」「食いしばり」歯をカチカチさせる「タッピング」などを総称した呼び方です。ブラキシズムがある方は、歯や歯を支えている組織に強い力が加わり、やがて歯を支える骨が吸収されていきます。そのため、歯茎も一緒に下がってしまいます。

 

矯正治療

矯正治療による歯肉退縮は、よく見られる症状です。これは矯正器具で歯を移動させる際に、顎の骨が吸収されることが原因で起こります。
この場合は自分で対処ができないため、矯正中に歯茎の下がりを感じたら担当の矯正医に相談しましょう。

 

歯茎が下がらないようにするためには?

定期的なクリーニングや検診

歯茎が下がらないようにするには、歯周病を予防することが重要です。そのためにはご自身のセルフケアと一緒に歯科医院で定期的なクリーニングや検診を受けましょう。自分で行う歯磨きでは、汚れが少なからず残ってしまうものです。特に歯ブラシでは落とせない歯石を放置してしまうと歯周病の原因になります。歯科医院でプロの手により行われるクリーニングは、超音波の力で歯石を落とし、さらに汚れがつきにくくなるよう歯の表面をピカピカに磨いてもらえます。
検診では、歯を支える骨の状態などを検査してもらえるので、歯周病の早期発見・早期治療につながります。また、歯周病だけでなく虫歯を予防することにもつながるので、症状がなくても定期的に歯科検診へいくことをおすすめします。

 

歯ブラシの見直し

下がってしまった歯茎は自然に戻ることはありません。しかし、歯科医院では口腔内の別の場所から歯茎の一部を移植(結合組織移植術)したり、歯の周りの歯茎を引っ張って移動(歯肉弁側方移動術)させたりすることで歯茎を以前の状態に近づけ、見た目を美しくする処置があります。また、専用の薬剤を利用して、歯周組織を再生させる方法もあります。

 

歯茎が下がってしまった場合の治療法は?

下がってしまった歯茎は自然に戻ることはありません。しかし、歯科医院では口腔内の別の場所から歯茎の一部を移植(結合組織移植術)したり、歯の周りの歯茎を引っ張って移動(歯肉弁側移動術)させたりすることで歯茎を以前の状態に近づけ、見た目を美しくする処置があります。また、専用の薬剤を利用して、歯周組織を再生させる方法もあります。

 

歯茎の移植

○結合組織移植術

上顎の奥歯の内側から歯茎を採取し、歯茎が下がっている部分の上皮と骨膜との間に移植する治療です。範囲が広い場合は、皮膚の移植剤を用いて移植する場合もありますが、対応している歯科医院が少ないため事前のリサーチが必要です。

○歯肉弁側移動術

歯の周りの歯茎の位置を移動させて、露出した歯根面を覆う方法です。

 

歯周組織の再生

○GTR法(人工膜の種類により保険適用、保険適用外に分かれます)

歯肉を切開し、歯石やプラークを徹底的に除去します。その後に、メンブレンという膜(メンブレンは保険適用)を入れ込み、歯周組織の再生を促していきます。

○エムドゲイン法(保険適用外)

歯肉を切開し、歯石を除去した後、歯根表面に「エムドゲインゲル」という歯周組織再生誘導剤を注入し、歯周組織の再生を促します。

○リグロス(保険適用)

リグロスの成分は細胞を増やす成長因子で、この成長因子の作用により歯周病で破壊された
歯周組織の再生を促進する治療法です。フラップ手術(歯肉剥離掻把<しにくはくりそうは>手術)→歯周ポケットの深いところをきれいに除去するために行われる歯周外科治療の一つ)で、この手術によりプラークや歯石などを取り除いた後に、歯槽骨の欠損部にリグロスを塗布し、
歯を支えている歯周組織の再生を促します。
(資料は科研製薬株式会社“リグロスを使用する歯周病治療を受ける患者さんへ”のパンフレットから引用)

 

○骨移植

骨移植は、重度の歯周病により破壊された顎の骨に、自分の骨や人工の骨を移植する治療です。移植が必要な部位の近くの歯槽骨から採取して移植していきます。

 

まとめ

歯茎が下がってしまう原因はいくつかあり、主なものに歯周病や過度なブラッシングがあります。これはご自身の歯磨きで防ぐことができるので、普段から意識して歯茎が下がらないように丁寧にセルフケアを行いましょう。歯茎が下がってしまった際にも治療法はありますが、対応している歯科医院が少ないため、治療を検討している方は事前に調べておきましょう。

 

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